その1) 初めてのバス釣り
釣りは色々やってきたんだが
バス釣りは まだやったことがなかった。
やったと言っても 近所の釣堀か
川や沼 そして知らない人んちの池とかだった。
初めて行った バス釣りの場所は
山中湖
俺はこの日のために
新しいロッド (竿)
ベイトリール (糸巻き)
ルアー ワーム (共に疑似餌)
を購入。
先輩の車に乗って 連れて行ってもらった。
先輩はフライフィッシングの練習をしていたため
俺は後輩と共に 湖畔にて
バス釣りなるものを 初体験することとなった。
よし やるぞ!!
と 準備をし
豪快に 勢い良く
竿を振った。
ありゃ??
俺のロッドは3段式で
つなげて使用するのだが
竿の先っちょがなくね??
あれ 俺ちゃんとハメたよなぁ??
自分の周りの岸を見回したが見当たらない。
後輩に訊ねた。
「俺の竿の先さぁ 知らね??」
「え? 僕は知りませんよ??」
そして 二人は 湖に目を移した。
ああ〜〜〜〜〜〜〜!!
湖の真ん中に勢いよく向かって投げ出された
ロッドの先が プカプカ浮いていた・・・・
「先輩 んじゃ 糸巻いちゃってくださいよ。」
「あいよ。」
糸を巻けば 先っちょは帰ってくるハズ。
あ! あぁあああ??
糸 モッコリ!!
ベイトリールから
勢い良く 糸がシュワッと 噴出していた・・・。
俗に言う バックラッシュである。
リールが勢い良く空回りして 糸がたるんで
もこもこなって 絡まってしまうことである。
こうして ロッドは単に巻き戻すだけでは
救出不可能となった。
しょうがねぇ なんとかして 取るしかない。
浅ければなんとか 歩いて取れるかも
そう思い 俺は靴下を脱いで
湖に入った。
「先輩 心中する人みたいっすね」(笑
「殺すぞ!! 俺は今マジなんだ!!」
5mもいくと もう 腰まできてしまって
駄目なことがわかった。
仕方ないので
こんな緊急事態であるにも関わらず
のん気に 湖の真ん中で
ボートを漕いで楽しんでいる カップル に
向かって叫んだ。
「お〜い 竿取って下さい!!」
彼氏の方が気付いて 親切に竿を取って
岸まで届けてくれた。
ありがとう〜〜〜〜 と お礼を言い。
あまり関係はないが 後輩にも頭を下げさせた。
君たちがどこでイチャつこうとも
僕は笑顔で許すよ (二コリ
と 心の中で思った。
風が強く寒いので さっき脱いだ靴下を
履かなければな と思い
岸を見たところ 靴下がない!!
「あれ? お前俺の白い靴下 知らね??」
「先輩さっき 湖入るのに脱いでましたよね??」
「だよなぁ??」
二人は湖に目を移した。
あ! あぁあああ〜〜!!
湖に風で飛ばされた
白い物が漂っていた・・。
俺はいつ釣りを始められるんだ・・・(泣
二人は再び さっきのカップルに向かって叫ぶ。
「お〜〜い お〜〜〜い
靴下取ってくださ〜〜い!」
彼氏の方が再び気付き
にこやかに答えて 取ってくれた。
あんた なんて いい人なんだ!!
彼氏はにこやかスマイルだったが
ちょっと 額わきに血管がピグピグしていたのを
俺は見逃さなかった。
デートの邪魔ばっかして 済まなかったと 謝った。
あまり 関係はないが 後輩にも頭を下げさせた。
そして バックラッシュしてしまった
糸をほどこうとするのだが
うまくいかない。
後輩にも手伝わせたのだが
中々ほどけなかった。
結局 俺は糸をライターで焼き切った。
ふぅ これでやっと 釣りができんぜ!!
そして 気を取り直して 第2投目。
勢いよく ルアーが飛んでいって着水。
ふぅう。
あ! あぁあああ〜〜!!
再び バックラッシュ・・・(号泣
後輩が俺のほうを あんた何やってんすか??
という目で睨んでくるので
俺も負けずに 睨み返した。
「先輩 ベイトの使い方知ってるんすか??」
「・・・・・・・・・。」
「初めて使うのに 俺が知るか!!」(逆切れ
後輩の
コイツは 筋金入りのほんまもんのアホや・・・
という 視線を浴びながら
よくよく考えたら 俺はそのリールの使い方を知らなかったのだ・・。
糸を再び焼き切り 後輩の指導の下
俺は使い方を教わった。
オーバーヘッドキャスト サイドキャスト
ベイトリールのクラッチの使用方法。
一時間もすると バックラッシュもせず
それなりに 投げられるようになった。
しかし 慣れていないため うまくいかず
結局 後輩のスピニングリールをぶんどり 釣りをすることにした。
後輩はベイトリールをうまく使いこなしていた。
昼食後 先輩の下を訪れ
フライフィッシングの練習を見学。
びゅんびゅん 糸の先についた
ハエのような疑似餌を水面スレスレにぶん回す。
おもしろそうなので
お願いしてやらせてもらうことになった。
よし!!
気合を入れて 水面すれすれに
疑似餌を飛ばす
つもりだった・・・。
背後にある 木を釣っていた・・・。(死
先輩はにこやかに切れていた・・・。
軽くケツに蹴りが飛んできたことは 言うまでもない。
すんません!!
を連呼して 木に引っかかった それを取り外し
丁重にお返しした。
こうして 俺は元の場所へ戻り
バス釣りに専念した。
しかし いくらやっても釣れず
坊主であった。
飽きたので湖畔を散歩。
そこには デカイバスの死骸があった。
おお これ持って写真撮って 釣れたことにすっか
と 思って持ち上げると
彼の体 地面側は
すでにとろけているではないか!!(腐
そんなこんなで 初のバス釣りは最悪であった。
二度とこんなんは ごめんだと 思いつつも
度々 バス釣りに足を運んでいる。
しかし 未だに バス釣り坊主 なのは 内緒です。
釣り好きな方 こんな俺でも良かったら 是非 ご一緒してください。
華を咲かそう