その2) 初めてのスノーボード




初めて行った スノーボード。

中学3年の冬であった。


板はおやじに 高校合格祝いに買ってもらった。

この頃 まだ 板を扱っている店が少なく
置いてあっても異常に値段が高かったため
神田の某店で 数少ない板の中から適当に
選んで買った記憶がある。

5uぐらいの部屋に並んでいるものが全てであり
そこから自分の好みの物を選ぶのは きつかった。






板はヨーロッパのブランドでLOOK
バインディングは 不明・・。
ブーツはゴリラ??って書いてあったと思う・・。

この謎の3点セットで 当時10万したんだから 驚きだ。


今なら もっといいもん買える。



その後 人気が起こり
どこの店にも置いてあるようになった際

俺はなんで こんなわけのわからん物を
買ってしまったんだ・・・


と 嘆いたものだ。


でも 格好から入ったところで
しょうがねえかと思って諦めた。



そして 初めて滑りに行ったゲレンデは
白樺湖周辺のどっかのゲレンデだったと思う。




ゲレンデでスノーボードしてる人間は
幸か不幸か 俺一人であった。(汗





俺は前日 そのボードに嬉しくて 気合を入れて
テッカテカになるまで ワックスを入れてしまった。

かなり ルンルンであり
ベストキッドのダニエルさんなみに
ノリノリであり

「わっくす ぅおお〜〜ん」

「わっくす ぅおお〜〜ふ」

などと 口ずさんでワックスを入れていた。

のちにこれが 自分の首を絞めることとなる。



そして それを手に持って ろくに練習もせずに
リフトに乗って てっぺんまで行った。




よし!!


板をボ〜〜ンッと雪面に置いて
装着すんべ
と 思ったのだが














板 疾走!!(泣








なんて元気な板なんだ!!

フェンスに突っ込んだ板をどうにか取り押さえた。






ハァハァ・・・
ハァハァ・・・
なんで こんなとこで
西部警察なみの大捕り物せにゃ
あかんねん・・。







ゲレンデの皆さんの視線が眩しい。(恥


準備運動も板のおかげで 無事終わり
いざ装着したのだが








立てない・・。



面白いぐらいに
板がすべるために 立てなかった。

誰だ〜〜!!こんなにワックス入れた奴は〜〜!!




エッジもどういったバランスで使えばいいのか
わからない。

こうして 最初は滑走以前の問題であり

第一回目は お尻をついて ずるずる斜面を降りたのであった。(号泣







ゲレンデで誰か一人でも滑っていたなら
見本がてら見れたのだろうが
あいにく誰もいないので
どうしていいか さっぱりであった・・。

そして 他はスキーヤーなため
ボードがめずらしかったのであろう。

リフトから様々な罵声や応援の声が飛んできた。

「兄ちゃん 滑れないなら んなもん やんな!!
邪魔だで」

「がんばって〜〜」

「おいおい 立てないのかよ」(笑。



正直 悔しかった。

そして スノーボード用のウェアじゃないため

早くもパンツまで ぐっしょり・・。




悔し涙のみならず
パンツまで濡らすのかよ〜〜〜
ちっくしょぉ〜〜。




下までなんとか辿り着き
とにかく 平地で立ってみることにした。


柵につかまって なんとか立ち
左右のエッジを 試しに立ててみる。

ふむふむ なるほど。

ちょっと 生まれたての牛か羊ばりに
足がピグピグしていたが まぁ いいとしよう。




そして 斜面の途中まで徒歩であがり

滑ってみる。

板を横にすれば 立ってられるようになった。

そして これがブレーキになることも ようやく理解。

最初はコケて止まるしかないもんだと 思っていた。



ゆえに

なんて不便なスポーツなんだ!!

と 普通に思っていた。




しかし ターンを覚えるようになるには
まだまだ時間がかかった。






板がまっすぐになって そっから曲がろうと体重移動するのだが

曲がり切れず スピードの乗ったまま





ゲレンデを暴走。

フェンスに突っ込んだり 木に突っ込んだり
はたまた 追いかけたくもないのに
スキーヤーに背後から迫り
「ドイテドイテ〜〜!!」 と叫ぶ始末であった。

できれば ちょっと狙いを定めて
かわいい娘に衝突したいところだが
そんな余裕はねぇ!!





何度転んだかなんて 覚えていないが
気付いた頃には なんとか大回りではあるが
ターンできるようになっていた。


再びリフトから眺める人達から
声をかけてもらった。

「おお 兄ちゃん滑れるようになったやん」

「がんばれ〜〜」

「おもろい?ボード?」

「ああ おもろいっす!!」

と 俺は笑顔で返した。



ずぶぬれで どこもかしこも打ちまくって
体中痛かったが

そこには自分で努力し
体で覚えていく楽しさがあった。



その後 友人としばしばいくことがあったのだが
自分で体得したため 口でうまく表現することができず
人に教えるのが とにかく下手くそなのは
言うまでもない。

ちなみに女性なら手取り足取り教えます。
男性は歯くいしばって なんぼです!!




華を咲かそう