その3) 初めてのコンパ






初のコンパは最悪であった。
友人とナンパした娘に頼んで組んでもらったのだが
いまいち 心ときめく娘がいなかったため
友人と飲み比べをしたのだ。



最初 瓶ビール50本くれ!!
と 注文したのだが
店員さん曰く 飲めるだけにしてくれ
と 言うことになり ビール大瓶(633ml)を ぞれぞれ順番に注文し
たいらげていくことになった。




何人かの男女が膝枕したり
チチクリあったり
軽めのキスをして遊んでいる中
俺ともう一人の友人で飲み比べをしていた。






俺はそれほど 酒が強いわけじゃない。
そして 自分がどれだけ飲めるのか
限界をまだ 知らなかった。

5本(3リットル弱)も開けると
もう 気持ち悪くなってきて
今 動いたら吐くかも??
と言う状況に陥っていた。


ううむ・・

しかし 友人はいいペースで飲んでいく。

くそぉ 負けらんねぇ・・。


俺も2本追加し なんとか7本(4.2リットル弱)開けた。

まだ 開始して30分も立っていなくて
トイレにも行かず 4リットルも飲んだため
もう 動いたらアウトってとこまで きてしまった。

水でも4リットルもすぐに飲むと気持ち悪くなるよなぁ
なんて思いつつ ずっとこらえていた。





おい 8本目いくぞ!!

俺は意識が朦朧とする中

うい・・

と 返事をし コップに注いで
口に入れた瞬間



あっ きた・・
と 思った。




すっぱいもんが 俺の中でどうしようもなく
こみ上げてきた。





テーブル前に整然と座っていた男についに変化が起こったのだ。




きゃぁあぁあああ〜〜

という 女性の悲鳴の中













エレエレエレエレエレエレエレ;;






俺の口から酸っぱい愛液が溢れ出していた。

止められなかったし もう止める気もなかった。


服を汚さないとか トイレまで走ろうとか
そんな余裕すら もうなかった。



口から当たり前のように
滝のごとく溢れていた。


テーブルは俺のゲロの海に沈み
飲み比べていた友人は爆笑して 転げまわっていた。



そんな中 数名の女の子は
汚いと俺を批判する奴らを尻目に
お手拭で掃除を始め
綺麗に拭き取ってくれた。


あんた なんて ええ娘なんだ!!(感動




俺は意識が遠のく中
初対面の際
彼女らに対し ブスだと思ったことを
心の中で反省し 謝った。





この後 俺のニックネームがしばらく


Mr. ナイアガラ

で あったことは言うまでもない。



次に気付いたときは
八王子でも人通りが多い通りの
アスファルトに俺はゲロまみれになって倒れていた。

ぬぬ 寝ゲロったか・・

顔をあげると 渇いたゲロが地面からバリっとはがれた。

周りを見ても誰もいない・・。


皆どこへ消えてしまったんだ??

数名はホテルへ行ってしまったかな??

しょうがねぇ 始発待って帰るか
と 俺はスクっと立ち上がった。




すると 数100m離れたところに
飲み比べた奴と もう一人が
ガードレールに腰掛けて眠っていた。


起こすと なんでも

ゲロまみれで横たわっている俺といると
通行人に指さされて 笑われるので
一緒にいられなかったんだ


と 正直に打ち明けてくれた。



他の奴らは??

ああ 女と消えたよ。

なるほど。

お前らは良かったのか?


ああ タイプの娘いなかったかんな。

なるほど。

こうして 俺達は始発を待って
帰った。







飲み比べていた友人がその列車の
連結部分に 今頃 ゲロを吐いた。

今頃吐いたのかよ!!

と 俺は笑った。

そして 俺の完敗だと笑いながら告げた。


ゲロまみれの友情も悪い気はしなかった。



この失敗以来
俺はコンパにおいては 吐くほど
飲まないことにしている。




華を咲かそう