その1) お姉さん
あれは 小学校で電車で社会科見学だか
遠足だかへ 行ったときだと思う。
駅へ集合して ホームへあがり
その駅始発になる電車を並んで待っていた。
電車がきた。
ドアがプシュ〜〜〜と開いた瞬間
俺は席をとりたくて 駆け込んだ。
ど〜んと長イスの真ん中めがけてお尻を向けて飛んで 座った。
そして 両手を広げて長イスについた。
友人達の席を確保するためである。
しかし 一般のお客さんも
もちろんいる。
席を確保するなんぞ
先生に見つかれば怒られる。
早く誰か座れよ〜〜
なんて 思っていると
なんと 座ったのは
めっちゃ綺麗なお姉さん!!
しかも 気付かなかったのだろうか
座ったのは イスに置いた 俺の手の上・・・
ぬぉおおおお 俺はどうすればいいんだ・・
当時 シャイだった 俺には
お姉さん デカイケツ どけとくれよ!!
なんて言えるわけもなく
顔は赤面してしまい 心臓はバクバク
ただただ お姉さんの その温もりの
殉教者となっていた。
ぬぉうぅぉおお〜〜
なんだ この恥ずかしい気持ちと
湧き上がってくる 変な気持ちは〜〜!!
手を動かして ばれたら
俺はこの 綺麗なお姉さんに 嫌われちゃうよぉ
そして この綺麗なお姉さんと結婚できなくなる
と それしか頭に浮かばなかった。
このとき 俺は小3だったかと思う。
そして この時期の俺は
クラス全部の女が俺に惚れている と
勘違いしていた。
ゆえに お姉さんと結婚することを 早くも
考えてしまう思考回路は
この時の俺には正常であったかと思われる。
そして そんなときに限って アホな連れが
声をかけてくる。
「Weif〜〜 こっちこいよ〜〜
今日のおやつかけて なんかしようぜ〜〜」
うるせぇ!!
俺は今 うまい棒どころじゃねぇんだ!!
お前らは 一生食ってろ!!
そう叫びたかったのだが
俺は気分が悪いから ごめんと
友人に告げた。
実際 この状況をどうすれば いいのだろう?
幼い俺には どうすることもできなかった。
こうして 無情にも 列車は
降りなければならない駅へ近づいていった。
どうしよう?どうしよう?
お姉ちゃん〜〜〜
どうして 俺の手の上に座っちゃったんだよぉ〜〜!
おばさんなら どいてくれって 言えたのに!!
まだ 俺には 対綺麗なお姉さん用の免疫 は ないんだよ〜〜
そして スクッとお姉さんは立ち上がった。
なんと 目的地の前の駅で降りてくれた。
俺は ずっと緊張しっぱなしであったため
どっと疲れてしまった・・。
冷や汗が ドバッと噴出す。
しかし 小便臭い クラスメイトのケツを
スカートめくりしつつ 触ったもんだが
明らかに お姉さんのお尻は何かが違った。
何かが!!
ちなみに まだ 純情まっさかりだったので
チンピク度数は ゼロです。
当時の俺にとっては 単なる恥ずかしい
出来事であったが
今から思うと 大人の階段の
一段目だったのかも知れない。
華を咲かそう