その4) 痴漢??




あれは高校下校時の帰りのバスの中だった。


途中で沢山の大学生が乗ってくるため
バス内は大変混雑していた。


そして なんか鼻がむずがゆくなり
俺はしきりに鼻をこすっていたのを覚えている。

そして 手になにか茶色いもんが ついていたのだが
なんじゃこりゃと思い しきりにそれを 手から削り落としていた。


そんなことをしているうちに
降りる予定のバス停に。


俺が降りようと 席を立ち上がろうとした際
手すりに 手をかけたのだが

誤って その手すりにつかまる女子大生の手の上に
手をかけてしまったのだ。















「きゃぁあぁああ〜〜〜〜」











バス内は一瞬 静寂となり

誰もが 嫌な視線で俺を見る。




結局 痴漢は降ろしてたまるか
そのまま 恥をかき続けろと言わんばかりに

俺は 誰一人どいてくれないため
自分の降りる予定のバス停で降りることができず
そのまま さらしものとなった。



運転手も 何かありましたか? などと
車内放送してくれたもんだから
俺は皆の好奇の視線にさらされるハメになった。


とにかく 皆 ジロジロと俺を眺める。

女子大生には とにかく 頭を下げた。
そして 彼女は俺の顔を見て 笑っていた。


そして 次のバス停で どうにか下車完了。


家に帰宅し

風呂に入りたかったので 風呂掃除に
風呂場へ行き そこでチラッと鏡に映った自分を見た。


え?








「なんじゃこりゃ〜〜〜〜」







顔になにか茶色いもんが
ベタベタついている。

ウンコ??

この歳でまた伝説つくっちゃった??(泣

しきりに匂いをかいだが
そうでは なさそうだった。

つか 漏らしてたら とっくに気付くよなぁ。



鼻の穴から 垂れて
こすって のびた跡が
顔中にある。


なんだこれ??


あ、あ、あぁあああああ


俺は思い出し 納得した。

そして この顔じゃ 痴漢に間違われても仕方なかったと・・。



下校時 ダチと アポロ(チョコレート)
をコンビニで買った。

そこまでは よくあることだが その後が今日は一味違った。










鼻の穴に何個詰められるか
挑戦していたのだ。






愚かなことをしたもんだ・・。






しかし 登山家がそこに山があるからだ
と 述べるように
そこにチョコがあったのだから
いた仕方ない。



記録は平凡で 両穴で 18個だったと思う。



許してくれた お姉さん ありがとう。


そして 俺は忌まわしい過去を思い出した。




大豆事件・・。


そう あれは当時 3歳。

ばぁちゃんがうちの畑でとれた大豆を
乾燥させて むいていた。

その横にたたずみ それを不思議そうに眺める少年。

少年は大豆の一つを掴み
何を思ったのか 自分の右の鼻の穴へ・・。

そして 右の穴が終わったなら
もちろん 左の穴へ・・。










そして 大豆は取れなくなった・・。




取ろうとして 指を突っ込めば突っ込むほど
大豆は奥へ奥へ・・。

兄が ふんっ てやれって
隣で盛んに言うのだが
3歳の少年には その意味がわからず

口で「ふんふん」言うのだが
大豆は一向に出てくる気配はない・・。

しまいには兄に 「ちげぇって言ってんだろ」
と 頭をどつかれ 泣き出す始末であった。


こうして俺の大嫌いな病院へ行くことになり
医者にとってもらうことになった。


あの頃から ちっとも成長してねぇんだな 俺・・・
と 悲しくなった瞬間があった。



穴があったら 入れたい。


それは 男なら自然な心理かもしれない。

しかし それ以来 俺は鼻の穴に
なにか詰めることは 禁じ手としている。




華を咲かそう