その6) 夏休みの宿題
俺はいつも夏休みの宿題は8月31日あたりに
始めるナイスガイだったのだが
高校2年の夏もそんな感じだった。
小学校時も俺の宿題のために家族全員出動
ってなことをいつも夢みていたのだが
うちはそんな甘い家庭ではなかった。
やらないあんたが悪いんでしょ!!
と バッサリおかんに斬り捨てられたことを
よく覚えている。
中学のときの自由課題など
何をやったか覚えていないのだが
一人友人が
「家から学校までに落ちている物」
という タイトルで試みた奴がいて
それは今でも俺の心に焼き付いている。
それは9月1日の初登校の日に
家から学校までに落ちているものを拾い
途中のコンビニで買ったB5サイズのノートに
セロハンテープで貼るだけ!!
すごい!!すごすぎるぞ!!
ノートからはみ出て貼り切れていない
車のホイールカバーといい
わけのわからん 枯れ草といい
茶色に変色して小便のかかってそうな空き瓶といい
使ってあるのか分からないコンドームといい
つか 全部 B5のノートからはみ出てるぞ・・
なんてスケールがデカいんだ!!
その圧倒的な美の世界に
俺は驚愕し 吸い込まれた。
そして 俺はなんでこんなことを
思いつかなかったんだ!!と
悔しい思いをしたもんだ。
もちろん 教師の判定はNOだったのだが
んなもんは 関係ない!!
俺は文句なしに感動した!!
そして 話は高2の夏に戻る。
友人から 31日
豊島園のプールへ行こうぜと 誘われ
俺は泳ぎにではなく 友人の宿題を写しにそこへ向かった。
そして プールサイドで
海パンを履いて 数学の宿題を写す
男の姿がそこにあった・・。
(テーブル未使用 プール真横)
皆は泳ぎに行ってしまっているため
もちろん 俺は他の客に指をさされ
笑われるハメになった。
中には 子供が俺を指さし 見ちゃ駄目よ的な
ファミリーもいた。
ちっきしょぉ〜〜
とっとと終わらせて 俺も泳ぎたいなぁ・・。
しかし そんな余裕はないかも・・。
なんせ数学が写し終わったら
他にも沢山の教科が待っていた。
じゃぁ なんでとっとと宿題終わらせなかったかって?
それはねぇ 宿題とは全然別に
補講課題が山ほどあったからだよ!!
特に歴史の補講課題はきつく
教科書を全部写してこいと言う話であった。
(ページ下の細かい注意書きなども含む)
そしてこれをやったからと言って
もらえる成績は1なのであった。(泣
それを終わらせるのに夏休みの大半は終わった。
結局 大学ノート2冊〜3冊になったかと思う。
そんなこんなで 友人が休憩に次々戻ってきた。
「そっちはどうだった?」
などと 何かを話あって確認している。
話を聞いていると
どうやら 白い水着の姉ちゃんの
スケ具合とその発見場所の確認であった。
ちきしょ〜〜〜!!宿題やってる場合じゃねぇぞ 俺!!
クキィ〜〜〜。
その後 ウォータースライダーの
お姉ちゃんの食い込み具合に対する
緊急サミットが開かれ
各々の研究成果による コメントが述べられていた。
なんでも 角度について 決め細やかな世界ルールがあるらしく
アホ数名が力説していた。
なんだ〜〜お前ら〜〜
俺抜きで楽しそうなことやってんじゃねぇかよ!!
ちっきしょ〜〜今終わらすから見てろよ〜〜!!
そして そんなかわいそうな俺に誰も声掛けることなく
散り散りになっていった・・・。
友情ってなんだろう・・・・。
ある者は水中メガネを片手に
平泳ぎしてるお姉ちゃんを追跡に。
ある者は引き続き 純白のお姉さんを探しに。
ある者は ウォータースライダーによる
喰い込み具合を自分で検証しに。
みんな 青春まっただなかやな〜〜!!
(しみじみ
悔しい思いをしながら
宿題をやっていると
なんと 隣にいたカップルが喧嘩を始めた。
おいおい ここをどこだと思ってんだよ!!
集中できねぇだろ!!周りのことを考えろ!!
なんて思っていると なんとマジでドつき合いを始め
彼女鼻血出てるよ〜〜〜!!
さすがに俺も止めに入った。
「人が宿題やってんのに 静かにしてもらえませんか?」
二人とも我に帰り 冷静になったのか笑い出した。
何笑っとんねん!!(プチッ
俺はノートをひきちぎり これ鼻につっこんどけと
優しく彼女に渡したのだが
あっさり いらないと 断られた。
また 俺はそんな恋人達のピエロかい!!(号泣
つか 今写し終わったページやんけ!!(死
ばかばかばかばか 俺のばか!!
ああ こうしちゃいられんと宿題を続行。
結局 夕方までかかり
海パンを履きつつも
プールには一回も入れないという
惨めな状況に陥った。
つか なんでプールサイドで海パン履いてやる必要があったのか
今思い出すと謎なのだが
きっと俺も青春ド真ん中だったんだろう。
しかし 一回だけ ぶっといウォータースライダーは
友人とやった。
基本的に監視員がいて
一人ずつ 笛の合図で行かなければいけないのだが
笛の合図と同時に全員で駆け込んだ。
流れながら全員で関節技の応酬。
途中 もみくちゃになって 数名がこぼれそうになったが
なんとか無事に滑り降りた。
出口には監視員が待っていて
危険行為とみなされ説教されたことは言うまでもない。
つか こんな悲しい夏の終わりの思いではいらない・・。
その後 プールには全然行ってない気がする。
でも もう宿題しに行くのはごめんだ。
華を咲かそう