その1) コレクター



収集。
その行動は古代の人間にもみられ
最初は生活に必要な食料の収集に端を発し
徐々に身にまとう アクセサリーや
ジュエル そして 現在 その行為は
趣味となり 皆それぞれ 自己満足の境地を
楽しんでいる。


何を集めるも 何に興味を持つも
それぞれの自由である。



俺もかくゆう この収集行為の殉教者となった。


俺が子供の頃 夢中で集めたもの。

スーパーカー消しゴム(カー消し)
まじゃりんこシール
ビックリマンシール
キンニクマン消しゴム(キン消し)
ガンダム消しゴム(ガン消し)
らぁめんばぁ
ガムラツイスト
あっぱれ大将軍
ドキドキ学園
カードダス(ガンダム
カードダス(戦国武将
ミニ四駆
BB戦士
魔神英雄伝ワタル
ゾイド
ガンダムのプラモデル(ガンプラ)






ほとんど これらに俺の全財産は投入された。


中でも 夢中になったのは
ビックリマンとキン消しであろう。

ビックリマンは当初 その爆発的人気により
一人3個までしか 買えなかった。

そのため 知らないおばさんに金を渡して買ってもらうことも
しばしばあった。


友人間でトレードも盛んに行われ
中でも 貴重なのはやはり
ピカピカに輝くヘッドシールであった。

その貴重さにより ヘッドシール一枚につき

天使シールなら 6枚
お守りシールなら 9枚
悪魔シールなら 12枚

で取り引きされていた。

そのため お小遣いの少ない俺(小1で100円 小2で200円制度)は

友人のヘッドシールに俺の悪魔シールを貼り
そのまま 持ち帰るということもしていた。


その人気のため のちにビックリマンアイスも出た。


そして ガチャガチャでも出た。
この ガチャガチャはとにかくヘッドシールばかり出るのだが
よく そのシールの裏面を見ると

それは









ロッチであった・・・・・。







ロッテ公認じゃねぇじゃんかよ・・・


よく シールだけ取って お菓子は捨てると言う輩がいて
社会問題にもなったが 少なくとも 俺の友人には いなかった。

と言うより 俺が許さなかった。

正確には 俺の腹が許さなかった。

いらないと聞けば 俺が食っていたからだ。


夢中で集めたものだが 飽きと同時に ペタペタと
そこら中に貼ってしまった。

最近マニアの間で 数万円で取り引きされる物もあると言う。

なんてこったいと 嘆いたことは言うまでもない。


他のシール(らぁめんばぁ ドキドキ学園 あっぱれ大将軍)にも それなりに夢中になったが
ビックリマンほど 夢中にはならなかった。







キン消しも とにかく 夢中だった。

ビックリマンは1個30円
ガチャガチャは一回100円
中にはキン消しが3個入っていた。


小1のときなんて 一回そいつに使ったら
その月のお小遣いは速攻ENDであった。

そのため 町中の空き瓶や雑誌を拾って売ったり
町中の自動販売機を覚えておいて
釣銭の出るところに よく手をつっこんだり
販売機の下に落ちている 小銭を収集したものだ。

なんせ 世の中の そんな場所に埋もれてしまった金を
世の中に再び 還元することに協力していたのだから

日本銀行からスーパー小学生として表彰されても おかしくなかった。

少し遅れて デカ消し(デカイキン消し)も発売

そして 何より

その超人達を 技をかけて熱湯に入れておくと
技がかかったキン消しができあがるというでは ないか!!


その噂を耳にし 俺は喜び勇んで お湯をやかんで沸かし
風呂桶をもってきた。

コブラツイストをかけて お湯に沈めてみる。
あっさり 技ははずれてしまった。

おいおいと 思って 普通に手を入れてしまい
火傷を負うはめとなった。

ガチャガチャに強引に10円玉を入れて回したり
ガチャガチャごと 持ち上げて逃走したりしたもんだ。

そして カッターで超人の首を切って
付け替えたりして 新超人をつくって遊んだりもした。

最後は キン消しは砂場で遊んだまま 放置となった。


今 マニアの間で数万円で取り引きされるキン消しもあると言う。
それを聞いて悔しい思いをしたもんだ。












そして ミ二四駆にも はまった。
アバンテ発売まで その熱は冷めなかった。

ファルコン
スーパーセイバー
ホーネット
ザ・ニンジャ
ファイアードラゴン
エンペラー


などが俺の愛車だったと思う。




とにかく 車体の軽量化に尽力した。
ドリルで何も考えずにボディに穴を開けたため
ちょっと高速で何かに突っ込むと ボディは粉々になった。

塗装も最初 筆で塗りたくっていたのだが
友人が器用にスプレーで塗装しているのを見て


よし 俺もやるぞ!と思い
父から 金 青 赤 緑 色のスプレーを借りた。

よし ゴールドのエンペラーつくんぞと気合を入れる。

しかし よくノズルを見ないで 発射。







プシュ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ













気付いたときには 目ん玉が金色に・・・・










おやじに 何でお前は自分の顔 塗装してんだ??と
不思議そうに聞かれたことは 言うまでもない。






俺らは排水溝をミニ四駆の競技場として よく遊んだ。
金がないので 田宮のミニ四駆コースなんて買えなかった。


近所の公園にあった
丸い排水溝(一周ぐるりとするので走って追いかける必要なし)は
円形競技場と呼ばれ
良く友人たちと スピードを競い合ったものだ。

どれほど 速かったのかは計測したことはないので
わからないが

小学生にとって

自分の足で追いつけない=速い

であったことは言うまでもない。



最後は えらく長い排水溝に
ミニ四駆投入。

まだかまだかと出口で待っていたが










一台も出てこなかった・・・・








なにしろ 蓋のついた排水溝ではなく
埋め込み式だったので
二度と俺の愛車達を拝むことはできなかった。






そして 魔神英雄伝ワタル

これはTVで放映されていて
俺が大好きだったのは 戦神丸というキャラであった。

作品中 戦神丸は 公衆電話で呼ばれて現れるという
奇特なマシーンであった。

俺は 友達が戦神丸を呼べる電話番号を知っているというので
早速 電話してみた。

電話番号は1100であった。

俺はそれを信じ 電話してみた。
アニメ同様に かかった相手に対して

「あ 戦神丸?」
「今すぐ これない?」


電話ごしの相手はなんだか知らないが
怒り出した。

俺はすぐ受話器を置いたが
逆探知したのか すぐかけなおしてきた。
そして 母親を出せと言う。

なに言ってやがんだ こいつと思いつつも
母を呼んだ。

母は電話越しで その相手に怒られていた。




その電話相手とは











ご存知 110番



最後のゼロを入れるまでもなく
しっかり 戦神丸に電話はみごと つながっていたのだ。
まったく親切な友人をもったものだ

もちろん 次の日 色々な友人に
戦神丸に電話がかかったことを報告した。
その後 何人が電話してみたかは知らない。








ゾイドは接着剤いらずで組み立てられたので
俺でも簡単に組み立てられた。

俺が持っていたのは ゴジュラス。

皆でジオラマやろうぜっつうことで
それぞれ ゾイドを持ち寄り
工作用紙で 色々小道具(木とか家)を つくってみたりしたんだが
なんか 迫力がなかったことを覚えている。


持ち運ぶのに 近くのスーパー ラブサンの袋を使い
チャリンコのハンドルにその袋を引っ掛けて 運搬していたのだが
破けて ゴジュラスは地面に落下。

ゴジュラスの尻尾は 無残にも折れてしまった。

尻尾のないゴジュラス。








バランスが悪く 歩けない。

足を骨折した 競走馬のように それは致命的であった。









ガンプラは組み立てられたんだが
セメダインが はみ出しまくり。

そして なにより
色塗りがうまくいかなかった。
学校の図工で使う太い筆で全部塗ろうとしていたため
特に目とかが 色がはみ出してしまった。


できあがったときには
どこもかしこも 色がはみ出しまくりで
こんなのは ガンダムじゃねぇ〜〜〜よ
と よく嘆いたものだ。




そして何より
友人達と 連邦とジオン に別れて そのモビルスーツで遊ぶわけだが

俺のモビルスーツ達は その変な色使いのため









どっちにも参入させてもらえず
あっさり 第三勢力となった






連邦でもジオンでもない 新しい形。
それゆえ ホワイトベースから出撃するのは3機のドム。

そして マクロス ボトムズ ダンバインも出撃して もう滅茶苦茶。
セメダインと色がはみ出たこの謎の新勢力は 迫力だけはあったように思える。







最近 ビックリマンが復活し
その懐かしさのあまり
当時 一回に3個しか買えなかったそれを
容赦なく 大人買い。








気付くと 4万円ほど ぶっこんでいたことが判明・・。

またしても ロッテの陰謀に まんまとハマってしまった。




くだらないと 言ってしまえばそれまでなんだが
色々なものに 夢中になり 時には熱くなったもんだ。





今後 何に夢中になるか わからない。
もちろん 他人の理解も得られないかも知れない。


でも いつまでも 血を滾らせた男でいたいもんだ。




華を咲かそう