その1) リーダー



俺は某団体に小学校2年から参加しており
19歳からは指導者として参加することになった。


面倒をみることになった連中の年齢は
6歳から7歳の男の子であった。

初めて受け持った子供たちは
もう高校生になる。


とにかく 6〜7歳というと まだ 目を離しては危険な年齢であった。




そして 彼らには敬語もくそもない。



俺はピアスを開けていたため

じじい女

などと言う 性別不明のあだ名をつけられるハメになった。







そして 彼らの笑いのレベルは低かったので 笑いをとるのには
苦労せず 楽勝であった。



なんせ うんこ!と一言 言えば
もう ドッカンドッカン大爆笑である。

おまけに ちんこ!と一言 つけくわえたなら
もう 腹抱えて転げまわる有様であった。






ちなみに まんこ!と言ってみたが 反応はなかった・・・。

彼らにはまだ早すぎると 反省した・・・。







そして 同行した 初めての彼らとの夏のキャンプ。


感想から言わせてもらおう。

不慣れで 大変ではあったが楽しかった。






俺はバイトがあったため 深夜に合流となった。

そして まず おねしょチェックなるものをしなければならなかった。

夜中に子供たちの寝室へ侵入。
そして 一人ずつ そのまたぐらを漏れていないか
触って確認。


幸い 俺が触った子はなんともなかった。

しかし 一緒にチェックしていた 先輩は違った。

「うげ こいつ やってやがる・・。」 と言い放ち

先輩はそいつを起こし なれた手つきでパンツを替えていた。

先輩はさすがだなと 思っていると
漏らしたガキが立っているのにつかれたらしく
眠気まなこで 目をこすりながら









生で先輩の膝へ着席






俺はどうすることもできず ただただ先輩が成仏してくれることを祈った。

この後 子供たちの中の一名が自宅へ帰ったあと 夜中にリーダー達が
僕たちのおちんちんを触りにきたと報告したため
少し誤解が生じ 父母の間で問題となった。




とにかく彼らは よく漏らす生き物であった。

俺はあまり おねしょで苦労した経験はない。

正し 小2のときに 一回かました 寝ウンコ
その当時の俺にとって衝撃であったのを 覚えている。

ホッカホカの寝覚めと共に 被害を最小限に抑えるために
漏れないこぼれない歩行をしなければ ならなかった。
自分のパンツを洗いながら 男泣きしたものだ。



昼に彼らに おやつとして ブドウを食わせた。
皆 うまそうな表情で食っていたのだが
一人だけ ひどく 歪んだ顔をして食っているのがいた。


俺はブドウ嫌いなのに 我慢して食べてるなんて
えらい奴だなぁと感心していたのだが

それは大きな間違いであった。

そいつと目があったが最後。
そいつは俺に言ってきた。


「おしっこ!!」


きた〜〜! エマージェンシー! エマージェンシー!
スクランブル! スクランブル!














ジョワァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




小便我慢しながら 食ってたのかよ!!こいつは!
そして そのズボンから滲み出すそれは!!
ホカホカの湯気が立っているそれは!!


そう思ったときには もう時遅かった。

本人曰く ブドウ食うのに夢中でトイレに行くことを忘れていたらしい。


そんな重要なこと忘れるなよ!!


こうして俺は そいつのパンツを洗うことになった。

友達の前だったので恥ずかしかったし 悔しかったのであろう
彼は泣いていた。

俺は彼の肩を ポンと叩き 男はなぁ パンツ濡らしてなんぼだ
と慰めてやった。




夜は彼らに日記を書かせ
それを 指導者達で分担して読み
返事を書いてやるのだが
俺はその日は 宿の障子を破った馬鹿者の日記にあたった。

内容はこうだ。



きょうは ともだちとふざけていて
しょうじをやぶいてしまった。
りーだーたちにおこられた。
あした はんせいする。












ん??

明日??



今日反省しろよ!!今日!!

あほか!!









次の日は雨のため
室内で遊ぶことになった。


彼らは体重が軽いため 順番に持ち上げて肩車してやった。

ちなみに一番軽い奴で タワーブリッジができるかどうか
試したのは内緒です。


部屋のかたずけをさせていたら 靴下が一つ余ってしまった。

誰のだ??

拾って名前を確認し そいつに渡した。

突然 匂いをかぎだし そいつは一言。












「これは俺の匂いじゃない。」


匂いで識別すんなよ!お前のだろうが!!









次の日は ハイキングをさせた。
一応 宝探しの設定になっていて
各チェックポイントにリーダー達を配置。

そこで指令なるものを受け取り
次のポイントへ進んでいく。


途中 一名がうんこをしたくなり
のぐそさせた。

ティッシュを渡したが 使った様子がない。

ケツ拭いたのか?

なぁにそれ?


どうやら そいつんちはウォッシュレットらしく
ケツを拭いたことなど 生まれてこの方ないんだと言う。

衝撃であった。










そして 彼らを風呂に入れるのは重労働であった。

なんせ 服を脱がすと
何を思ったか そのまま湯船に突撃し
ザブンと体を洗わないで入るため
湯船はすぐ なんのダシがきいてるのか知らないが









茶色に・・・。




おいおい お前ら 他の客も入るんだってば・・・。


とにかく 前とケツはよく洗わせて
湯船では 30秒数えろと指示を出した。

人のポコチンを興味深そうに眺めている ばか者もいた。

いつかはお前のもこうなるから 安心しろと伝えておいた。



そして 風呂からあげたあとも 大変であった。

フルチンで部屋まで走り去っていく者。

脱衣所でチンチンを引っ張り合って遊んでいる者。

違う奴のパンツを平気で履いていく者。

俺は半狂乱になりながら 彼らに叫んで 言い聞かせたのを覚えている。

なんせ 初めての体験であったため どうしていいものか
さっぱりであった。



そして 食事どきもマナーもくそも彼らにはない。

朝食時 突然







「この味噌汁 ウンコの匂いがする!!」






などと叫び出す。
おいおい 宿の主人聞いてるっちゅうねん。




晩飯でソーメンが出た。

俺の隣に座っていたガキは麺を食うと
息ができなくなるらしく
そんなことは 俺はまだ知らない。





ブハッ







その時には もう俺は被爆していた。







鼻から息をしろよ 鼻から!!

ラーメン食えない 工藤○香か お前は!!










そんなこんなで キャンプも終わった。

無事に終わって何よりであった。

俺自身 彼らと共に過ごすことで 大分 大人になったように思えた。


子供たちの成長を見るのは 何より楽しかったし 嬉しかった。






今では 彼らも大きくなり 敬語で挨拶などしてくるため
こっちもなんだか畏まって 恐縮してしまう。



しかし 彼らのかわいらしく懐かしい面影が
俺の眼にしっかりと焼きつき はなれない。




華を咲かそう