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<16> 9月も終わりに近づき クラスに 里佳が転校することが発表された。 彼女が引っ越する前日に お別れ会をすることになった。 里佳の家はほとんどの荷造りは終わったようだ。 基地には双子と一緒に 里佳宛の郵便ポストを作った。 なんだか 鳥の巣箱みたいな 出来上がりになってしまった・・・。 間違えて鳥が住んだらどうしようと言ったら ロクもゲンも笑っていた。 そんな矢先に カラスがカァカァと バカにするように ポストに糞を垂らしていったので 僕はカラスに向かって 石を投げた。 ゲンも僕と一緒で 文通がなんなのか分からなかったので 説明してあげた。 そしたら ゲンが突然基地を飛び出し 夕方の郵便配達中のおじさんを 勝手に捕まえて 基地まで連れて来て ここに投函された手紙も回収するようにと 勝手なお願いをしだした。 僕とロクは手紙が溜まったら 普通のポストに投函すればいいと ゲンをなだめたんだが ゲンは そんなことは全く考えもせず これは立派な郵便屋さんの仕事だろと言い張る。 最初は 大人をバカにするんじゃない!! と怒っていた郵便配達のおじさんも 事情を話した結果 週一回だけ 見回りで取りに来てやると 笑顔で言ってくれた。 但し こんな事は例外中の例外で よっぽどの田舎町か小さな島でしか やらないようなことだぞ と 言われた。 確かにそうかも知れない。 僕達は恵まれているなと 思った。 漫画好きなロクが なんだか ここまで来るとゲゲゲポストみたいだなと言い出す。 水木しげるさんの漫画『ゲゲゲの鬼太郎』に登場するポストのことのようだ。 僕も知っているが ゲンは漫画はほとんど見ないので へぇ そんなもんがあるのかと 面白がっていた。 そもそも ゲンが漫画に限らず 本を読んでいるのを 見たことがない。 彼にとっては 教科書ですら ドブにいるドジョウを捕まえるための ドブさらいの一道具にしか過ぎないのだから・・・。 もしくはちぎって紙飛行機を折ったりしているし 鼻をかんだりもするし 秋に焼き芋をするのに燃料にしていたのも覚えている。 社会科の歴史の授業で 第二次世界大戦中 ドイツが 禁止した書物を焼いている映像を見たことがあるが 何だか それソックリに感じた。 そもそも 学校が彼に教科書を配布するのは 間違っているような気がするのは僕だけだろうか。 大地は 相変わらず 闘病生活を送っている。 何度かクラスメイトと交代で 大地のお見舞いには行ったが 病状は相変わらず芳しくなかった。 僕達の願いも空しく 彼の病気は ドンドン重くなっていった。 でも彼は誓いを忘れず 歯を食いしばって 病気と闘っている。 彼は残念ながら まだ 一回も基地へは遊びに来ていない。 基地の写真を撮って お見舞いの時に見せてあげたら 格好いいのが出来たね 早く遊びに行きたいと 目を輝かせていたのを覚えている。 あとは 大地の代わりに基地に飾ってあった ヒマワリも枯れたので 大事に種を採取して 乾パンの空き缶に 保存してある。 里佳が引っ越す前の最後の日に 里佳と大地を基地に招待して パーティーをしようという計画も進行中で 折り紙を買ってきて 輪飾りなど作ったりして 殺風景な基地内を 徐々に飾り付けている。 若干一名は 鶴を折ったときと同じで 紙飛行機ばっかり折っている。 今の大地の病状からすれば 無理な話なのかも知れないが 絶対に基地に一度は呼びたい。 >NEXT <BACK |