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<24> 大地のいない新生活は 決意はしたものの やはり味気のないものだった。 里佳と何度か手紙のやり取りをした。 双子と3人で書いて出した手紙は 僕のうち宛てに返信されてくる。 互いの近況を報告し合う程度の内容だ。 とりあえず 冬休みに一度大地の墓参りに 皆で行こうという話にはなっている。 富山では 友人もそれなりに出来て 元気にやっているようだ。 しばらく僕達には 魂の抜けたような日々だったが このまんまじゃ 大地が喜ぶわけがないと 皆 気付いたようで それぞれが 元の自分を取り戻せるように 日々を過ごした。 3人でたまには 木の上の基地で過ごすこともあったが 前ほど 盛んに遊ぶことはなかった。 その代わり 月に一回は 皆で大地の墓掃除には出かけていた。 冬休みには里佳もこちらへ出てきて 皆で 大地の墓参りをした。 津々と雪の降る寒い日だった。 里佳とは 久しぶりの再会なので 皆で肩を抱き合った。 強く生きるとは誓った物の やはり 墓前まで来ると 全身を痛みが貫いた。 胸にぶら下がった大地のタグを 強く握り締めれば締めるほど 胸が締め付けられていく。 皆 同じ気持ちなんだろうか。 それだけ大地の存在は 僕達にとって大きかったのだ。 里佳が持っていた大きな紙袋から 突然 何かを取り出した。 ヒマワリの柄の 手編みのマフラーだった。 ちゃんと人数分ある。 皆 手渡されたそれを 首に巻き付けると 凄く暖かく感じた。 決してお世辞にも上手とは言えない編み方だが 連日徹夜で 母に教えてもらいながら 編み上げたそうだ。 その苦労が滲み出ている 里佳の心のこもったマフラーだった。 そのうちの一本のマフラーを 大地の墓石に巻き付けた。 大地 暖かい? と 里佳が微笑みながら 墓石に問いかける。 ゲンが 首を絞められて苦しいってよ と 冗談を言うと 里佳はプクッと顔を膨らませた。 僕とロクはそれを見て 微笑ましい笑顔を一杯に滲ませた。 それぞれが 大地の墓を前にして 胸に秘めた想いを 抱いていたことだろう。 僕は大地に 皆 この通り元気でやっているよ 天国では尊敬する親父には会えたかい? 仲良くやっているんだろうな?と 心の中で呟いた。 墓参りの後 里佳にうちに泊まって ゆっくりしていけと言ったんだが すぐに富山に戻ると言う。 双子は僕達に気を使ってなのか 見送りには来ず 僕1人で仕方なく 里佳を駅まで送りに行った。 彼女は 健児変わったね? と ポツリと言った。 自分ではそんなつもりはないんだが やはり 幼馴染ということもあって 機微に僕の感情を読み取っているんだろう。 口数は減ったけど 何か大人びた感じがするよと 里佳は笑って言った。 僕はただ 大地に追いつき 彼に負けない男になりたいだけだと言うと そんなことはないよ 健児は健児だよと いつか僕が里佳に言った言葉を そのまま返された。 そうかも知れないな。 僕は僕であって 大地にはなれない。 僕は僕になるんだ。 何か無意識に大地を意識し過ぎたようだ。 大地よ お前はどう思う? タグを強く握ると まるで 返事をするように 健児は健児だと 答えたように感じた。 僕は笑って 里佳 元気でなと 電車の窓から差し伸べられた 里佳の手を強く握った。 手紙はまた書くからよと言うと 私も書くと 大きく頷いた。 里佳も名残惜しそうに 最後まで僕に手を振り続けていた。 >NEXT <BACK |